
コウノトリ育むお米とは?
前回の記事では「コウノトリ育むお米」について紹介しました。
コウノトリの再生に取り組んでいる主な地域は兵庫県豊岡市です。国の天然記念物「コウノトリ」の野生復帰を目指して、農業と自然環境の再生に力を入れています。今回は、コウノトリが絶滅しかけた理由と、生育環境の再生の取り組みを紹介します。

絶滅しかけたコウノトリ
絶滅の原因は農薬
コウノトリは翼を広げると2メートルにもなります。肉食で毎日500~600グラムもの餌を食べます。これはドジョウおよそ80匹になります。水田はコウノトリの重要な餌場です。ところが戦後、農薬の使用が増えると、コウノトリの餌となる魚やカエルが次々と姿を消してしまいました。コウノトリが絶滅した時期と農薬使用量の増加はほぼ一致しており、農薬の影響が大きかったことが分かります。農薬で汚染された餌を食べ続けることは、コウノトリの孵化や幼鳥の成長にも大きな影響を与えたのです。
農薬を使わないことは安全な食に繋がる
農薬を食べた魚やカエルをコウノトリが食べ続けていては、コウノトリの野生復帰が叶わないためネオニコ系の農薬が除外されました。
ネオニコチノイド系農薬は虫や小動物まで駆除してしまい生態系への影響が大きく、子どもの発達障害や胎児の発育不全などの関連が指摘されています。コウノトリ育む農法では2014年減農薬栽培で使用可能な農薬リストから殺虫剤のネオニコ系農薬が外されました。
農薬を使わないことはコウノトリの野生復帰と安全な食に繋がるのですね。
全国で500羽を超えるコウノトリ
2005年から兵庫県豊岡市を中心に野生復帰のための放鳥が進み、現在は全国で500羽を超えるコウノトリが飛来しています。コウノトリ郷公園では絶滅しかけたコウノトリの保護・野生復帰の取り組みが学べます。

コウノトリが暮らせる環境作り
コウノトリ育む農法では生き物の豊かな田んぼを作り、コウノトリが餌を食べられるような環境になっています。お米を作りながら生態系を守ることで持続可能な農業と自然を守ることに繋がっているのです。
わたしたちの選択がコウノトリの支援になる
コウノトリ育むお米を選ぶことがコウノトリの生育環境を広げ、生産者さんの取り組みを応援することになるのです。

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